「ガンにならない生活習慣の提案・・・その⑨、ストレスを考える」
ストレスと言う言葉の語源は、金属疲労という意味からきているという話しを何かの本で読んだ記憶があります。なるほど、金属疲労は繰り返し、長時間、同じ所に力が加わると亀裂が生じ、破壊に至るというものですが、それが私たちの体にも起こることがあります。
傍目から観て、そんなに気にするようなことでもないことでも、本人にしてみれば、気掛かりな状態がずっと続いて神経を病んで、体調を崩してしまうということがあります。そしてそれが、思わぬ重篤な病気に発展して、死に至る場合もある訳ですから、ストレスというものの本質を理解しておいた方が良さそうです。
ストレスには、精神的なストレスと肉体的(生体的)なストレスの二つのストレスがあるのをご存知でしょうか。
例えば、タバコを吸う人は、気持ちの上では、この一服が堪らないと気持ち良さそうにタバコを吸いますが、その人の肉体は強度のストレスを感じ、血液の流れが止まって虚血状態になり、血管内に多量の活性酸素が発生して、細胞を老化させ、血液を酸化させて動脈硬化症の原因となって、また遺伝子に傷を付けて腫瘍やポリープを作り、様々なガンに発展していきます。そんなことを知っていたら、わざわざタバコを吸う人はいないだろうと思いますが、知らぬが仏というか、得になることは一つもなく、ストレスによる害を表現するには十分な代物です。
嫌だなぁと思うことや、気に入らないなぁと思う心がずっと続くと、最初はそれほど気にならなかったのに、徐々に体が重くなったり、肩が凝ってきたり、体調が今一つだなぁと思うようになることがあります。精神的なストレスはその殆どが身近なところでの人間関係にあると思います。乳がんを専門に診る医師の話で、乳がんが右の乳房か左の乳房かでその原因となるストレスの特長があるそうです。右なら夫などの人間関係による精神的ストレスが原因になることが多いのだそうです。
ストレスを感じると、肉体は緊張状態に陥り、血液流が悪くなり虚血状態を作ります。虚血の後、ほっとした時に再び血液が流れ出すことを虚血後の再灌流と言って、大量の活性酸素が発生します。それが、ガンの原因となってしまうことがあります。簡単ではないかも知れませんが、原因となる活性酸素を発生させないためにも、ストレスを溜めない、長期化させないことがガンにならないための予防策になります。