ガンにならない生活習慣の提案・・・その⑤、生態系を脅かす化学農薬の話
「知らぬが仏」と言いますが、「知らぬと仏になる」と言ったのは、農業作家の山下惣一さんでした。
事実を知れば知るほど、山下さんが言った言葉が決して大袈裟ではないことが分かってきます。一般的にはあまり知られていないことが、余りにも私たちの生活に深く入り込んでいるところに恐怖感さえ覚えます。
ミツバチがいなくなったという話しを聞いた方も多いとは思いますが、その最大の原因になっているのが、浸透性農薬のネオニチコノイドという化学農薬です。
ネオニチコノイドという名前は、新しいニコチンという意味で、毒物ニコチンと似た化学構造をもつものが、農薬になるはずと開発されたもので、従来の農薬とは異なり水溶性で、非常に水に溶けやすく、撒いた植物の内部に浸透する特徴があります。成長後も、植物の葉、茎、果実に農薬が浸透しているので、害虫がどこをかじっても殺虫効果があるのと、毒性が強いため噴霧回数が少なくて済み、農家にとっては作業が楽になるからと多用されるようになった新農薬なのだそうです。
低濃度のネオニチコノイドでミツバチが異常行動を起こし、巣に帰れなくなって死んでしまったり、採蜜、採花粉行動が上手くいかず巣に帰れず、巣が崩壊してしまうことが多く発生しているのだそうです。
ネオニチコノイドは神経伝達物質のアセチルコリン受容体を標的として、昆虫に強い興奮性作用を起こして毒性を発揮するものだということで、殺虫剤として多用されていますが、それが昆虫だけに留まらず、微生物に始まり、無脊椎動物、鳥、ヒトを含む哺乳類に影響を及ぼす可能性があると色んな所で伝えられています。
植物の内部にまで浸透したネオニチコノイド系の農薬が、その野菜を食べるヒトに悪い影響が起きないはずはありません。その農薬を使って生産された野菜は一般的にスーパーなどで販売されていますから、消費者は何の疑いもなく買って行かれますから、非常に怖い所でもあります。使用農薬の表示があれば避けることもできますが、一般的には栽培方法の表示がないのが現状です。
ネオニチコノイド系の農薬は、作物の内部に浸透し毒性を保持したまま、簡単に私たちの口に入ってきます。それが血液中に吸収され、脳に達し、神経伝達機能を脅かす原因にもなっています。そしてそれが、ガンなどの重篤な症状を引き起こす環境ホルモンとなって私たちの生態系そのものを脅かす原因にもなっています。